アルバムのレコーディングが延々と続いている中、佐野は2003年5月から7月にかけ、新たに13か所15公演のツアーを行った。ツアー・タイトルは「The Milk Jam Tour '03」、大阪ではフェスティバルホールの他、ライブハウスであるなんばHatchが追加され、東京は渋谷公会堂2公演（千秋楽は追加公演）と渋谷AXでのライブとなった。

ツアー・メンバーは古田たかし（ドラム）、井上富雄（ベース）、佐橋佳幸（ギター）、KYON（キーボード）、山本拓夫（サックス）。山本はこのツアーからメンバーとしてクレジットされている。

ライブでは、レコーディング中であった新アルバムのマテリアルから『フィッシュ』（『観覧車の夜』の仮題）、『ブロンズの山羊』（『DIG』）、『Sail On』（『君の魂　大事な魂』）、『レイナ』などがリリースに先行して披露された。これらは翌2004年リリースのアルバム「THE SUN」に収められた。

加え、翌2004年がアルバム「VISITORS」のリリース20周年にあたり、スペシャル・パッケージのリリースが予定されていたこともあって、このアルバムからも多くの曲が演奏されている。特に6月8日の愛知県厚生年金会館、7月12日の渋谷AX、7月18日のなんばHatchではアルバム収録の8曲がすべて演奏されている。

僕は7月12日の渋谷AXと7月20日千秋楽の渋谷公会堂での公演を見た。渋谷AXでは客席から「20年前と同じことやってんじゃねえよ」というヤジが飛ばされるハプニングがあった。詳しくはライブ・レビューに書いている。

このツアーのまとまった音源・映像はリリースされておらず、2005年発売のDVD「THE SUN LIVE and RECORDINGS」に短いダイジェストが収められているのみである。

【映　像】

上述の通りビデオ作品「THE SUN LIVE and RECORDINGS」に6月11日のZEPP札幌と7月3日の福岡市民会館でのライブから、『観覧車の夜』『ボリビア』『ドクター』とメドレーの一部と思われる映像がトータルで1分強のダイジェストとして収められている。

【ライブ・レビュー】