The Barn Tour 佐野元春は、アルバム「FRUITS」のレコーディングを通してメンバーを固めた新しいバンド「Hobo King Band(International Hobo King Bandから「長すぎる」という理由で改称)」とともにアメリカ・ウッドストックで制作した新しいアルバム「THE BARN」を1997年12月にリリース、翌1998年1月からアルバムのプロモーションのための新しいツアーをスタートした。 「THE BARN TOUR」と名づけられたこのツアーは、同年1月から4月にかけて、全国17か所で26公演を行った。当初は3月29日の大阪フェスティバルホールが千秋楽となる予定であったが、佐野がインフルエンザに罹患したために2月上旬に予定されていた渋谷公会堂と神奈川県立県民ホールの2公演が4月に振替となった。 バンドは渡米してアルバムを制作した小田原豊(ドラム)、井上富雄(ベース)、佐橋佳幸(ギター)、KYON(キーボード)、西本明(キーボード)の5人。 千秋楽のフェスティバルホールではアルバムのプロデューサーであるジョン・サイモン、アルバムでも客演したザ・バンドのガース・ハドソンがゲスト参加。佐野が詞を提供したジョン・サイモンのナンバー『So Goes The Song』をサイモンが披露した後、『7日じゃたりない』『ロックンロール・ハート』をハドソンも加わって演奏した。また、ハドソンはピアノ・インプロビゼーションも披露した。 記録としてはビデオ作品「THE BARN TOUR '98-LIVE IN OSAKA」が1998年7月にリリースされており、ジョン・サイモン、ガース・ハドソンがゲスト参加した1998年3月29日、大阪フェスティバルホールでのライブの様子が収録されている。 なお、このビデオ作品は2018年にアルバム「THE BARN」のリリース20周年を記念したスペシャル・パッケージ「THE BARN DELUXE EDITION」のコンテンツとして再発されているが、その際に1998年盤には収録されていなかった『マナサス』が追加収録された。 また、2021年6月にリリースされたボックス・セット「THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004」に「THE BARN LIVE '98」と題するCDがパッケージされた。内容的にはDVDと同じく1998年3月29日、大阪フェスティバルホールでのライブ音源(10曲を収録)となっている。 【音 源】 長く映像作品のみでの公開となっていたが、上述の通り2021年6月にリリースされたボックス・セット「THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004」に、3月29日の大阪フェスティバルホールでのライブの模様を収めたCD「THE BARN LIVE '98」がパッケージされた。
【映 像】 上述の通りビデオ作品「THE BARN TOUR '98-LIVE IN OSAKA」に、再発盤のみ収録の『マナサス』を合わせて11曲(うち1曲はジョン・サイモンの曲をHKBがバッキング)が収録されている。『7日じゃたりない』と『ロックンロール・ハート』の間には、ガース・ハドソンの5分に及ぶピアノ・インプロビゼーションも収められている。 【ライブ・レビュー】 このツアーが行われた1998年1月から4月は僕はドイツに住んでいてライブを見ることはできなかったが、Silverboy ClubのコレスポンデントであるSCRATCHくんが全国を追っかける勢いでライブ・レポートを寄せてくれた(THE BARN TOUR ライブ・レポート)。全国11か所16公演に亘る力の入ったレポートだ。 なにしろ今から20年以上前の記録なので、レポートに付した僕からのコメントとかも力の入り過ぎて恥ずかしい部分もあるが(自分で読んでてヘンな声出そうになった)、貴重な記録であり、今回SCRATCHくんの承諾も得られたので、改めてリンクを張っておく。興味のある人は是非読んでみて欲しい。非常に詳細で、愛情のあふれる、そして的確なレビューになっていると思う。
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