Fruits Tour 新しいバンドとともに「International Hobo King Tour」と銘打った8大都市ツアーを1996年2月の神奈川県立県民ホールで打ち上げた佐野元春は、同年7月にアルバム「FRUITS」をリリース、そのプロモーションのために同年9月から再び全国ツアーに出た。 ツアー・タイトルはもちろん「Fruits Tour」、9月8日の戸田市文化会館を皮切りに、11月27日の長野県民会館まで、全国26か所30公演のツアーとなった。大阪のフェスティバルホール2日間、東京では渋谷公会堂2日間を含む大ホール・ツアーである。 さらに12月には「FRUITS PUNCH」と題して、日本武道館(2日間)、大阪城ホール、横浜アリーナで弦楽オーケストラを加えたプレミアム・ライブを行った。佐野はこの年、「International Hobo King Tour」と合わせて武道館で4公演したことになる。 ツアー・メンバーは前のツアーと同じ「International Hobo King Band」。メンバーは小田原豊(ドラム)、井上富雄(ベース)、佐橋佳幸(ギター)、KYON(キーボード)、西本明(キーボード)。 これに加え、ブラス・セクションとしてスカパラ・ホーンズ(NARGO(トランペット)、北原雅彦(トロンボーン)、GAMO(テナーサックス)、谷中敦(バリトンサックス))がツアーに帯同(冷牟田竜之はケガのため不参加)、メロディ・セクストンとサンディ・セクストンのセクストン・シスターズもコーラスで加わった。 さらに「FRUITS PUNCH」では上述の通りバイオリン、ビオラ、チェロの総勢24人からなる「The Round Abour Orchestra」が加わり、オーケストラの指揮は井上鑑が担当した。 記録としてはビデオ作品「THE INTERNATIONAL HOBO KING BAND FEATURING MOTOHARU SANO IN FRUITS TOUR '96」に、ツアー中盤となる10月15日の渋谷公会堂でのパフォーマンスと、千秋楽となる「FRUITS PUNCH」の横浜アリーナでの公演の様子が収録されている。 音楽ライターの能地祐子がツアーに帯同して記録したレポートが「フルーツ・ダイアリー」として角川書店から刊行されている。 【映 像】 上述の通りビデオ作品「THE INTERNATIONAL HOBO KING BAND FEATURING MOTOHARU SANO IN FRUITS TOUR '96」に渋谷公会堂と横浜アリーナでのパフォーマンスが収録されている。 『水上バスに乗って』ではプレイグスの深沼元昭がゲストで登場しギターを演奏している様子を見ることができる。深沼はアルバム「FRUITS」でもこの曲でギターを担当しており、後にコヨーテ・バンドの一員として佐野を支えることになるのだが、この時はまだ誰もそれを知らない。 なお、ビデオのエンド・ロールのバックには、オーケストラをフィーチャーした『サンチャイルドは僕の友達』が挿入されている(演奏シーンの映像はない)。のちにアルバム「GRASS」に収録されたものと同じ演奏と思われ、「GRASS」のライナーノーツによれば、1996年12月、FRUITS PUNCHに先立って高田馬場AVACOスタジオで行われたスタジオ・リハーサル時の音源。
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