1994年のザ・ハートランドの解散によりいったん活動を休止していた形になっていた佐野元春は、1995年春から新作のレコーディングを開始した。さまざまなミュージシャンをスタジオに招いてセッションを重ねる中で、新たなアルバムに収録されるべき曲が少しずつ仕上がり始めるとともに、その後活動を共にする新しいバンドのメンバーもその中からセレクトされてきた。

1996年1月、佐野元春はこのセッションの中から新たなバック・バンドを結成、アルバムのリリースを待たずにツアーに出ることにした。バンドの名前は「International Hobo King Band」。メンバーは小田原豊（ドラム）、井上富雄（ベース）、佐橋佳幸（ギター）、KYON（キーボード）、西本明（キーボード）といった実績のあるミュージシャンたち。ツアー・メンバーは彼らに加えスカパラ・ホーンズ（NARGO（トランペット）、北原雅彦（トロンボーン）、GAMO（テナーサックス）、谷中敦（バリトンサックス）、冷牟田竜之（アルトサックス））、コーラスのメロディ・セクストンとサンディ・セクストンのセクストン・シスターズという豪華な顔ぶれ。

ツアーは1996年1月から2月にかけて、仙台、札幌、福岡、名古屋、大阪、東京、広島、横浜の8都市で13公演。大阪フェスティバルホール、日本武道館でそれぞれ2公演を行う大ホール・ツアーとなった。

佐野がハートランドを解散し新しいバンドと初めてパフォーマンスを披露した重要なライブ・ツアーであるが、1996年後半の「フルーツ・ツアー」の模様と合わせてひとつにまとめられたビデオ作品「THE INTERNATIONAL HOBO KING BAND FEATURING MOTOHARU SANO IN FRUITS TOUR '96」に武道館での演奏が3曲収められているのみ。

僕はずっと日本にいなかった時期で、残念ながらこのバンドの立ち上がりの時期はまったく目にしていない。

【映　像】

上述の通りビデオ作品「THE INTERNATIONAL HOBO KING BAND FEATURING MOTOHARU SANO IN FRUITS TOUR '96」に2月15日の日本武道館での演奏が3曲収録されている他、アンソロジーにも再録されている。