アルバム「TIME OUT!」のプロモーション・ツアーである「TIME OUT! TOUR」が大都市での公演を終えて1990年12月に終了、1991年はオリジナル・アルバムのリリースもライブ・ツアーも行われない1年となった。佐野の家庭の事情もあったようだが、ファンはコンピレーション・アルバム「Slow Songs」だけを頼りに佐野からのコメントを待った。

届いたのは1992年1月から4月まで、全国22か所29本の「See Far Miles Tour part I」実施のニュースだった。新しいアルバムのリリースもないまま全国ツアーを敢行するのは異例であるが、当初からツアー・タイトルに「Part I」と名づけたのは来るべきニュー・アルバム、その先に待っているツアーを意識してのことだろう。東京では中野サンプラザ、大阪では厚生年金会館で行われた。

このツアーではキーボードに西本明が復帰。僕はちょうどドイツに1年間の研修に出かける直前のツアーで見に行っていないと思う。この時期には未発表だった新曲『レインボー・イン・マイ・ソウル』を演奏したようだ。音源として残されているのは1992年3月23日、神奈川県民ホールでのパフォーマンス。

このツアー終了後の1992年7月、アルバム「sweet 16」がリリースされた。

【音　源】

このツアーからはまとまった形でのライブ音源リリースはなく、ライブ・アンソロジーである「THE GOLDEN RING」に『彼女はデリケート』など3曲が収録されているのみであったが、2023年にリリースされた「SWEET16 30TH ANNIVERSARY EDITION」に1992年3月23日、神奈川県民ホールでのライブの模様がCD2枚で収められた。

【映　像】

映像としては「1992 See Far Miles Tour Part I」が1991年3月にリリースされているが収録は5曲のみ。その後ボックスセット「SOUND & VISION」にそれまで未公開だった2曲が収録された。

冒頭の「See Far Milesのテーマ」はこのツアーの冒頭で演奏されたインストルメンタルだが、曲は途中までしか収録されていない。