「Café Bohemia Meeting」は、アルバム「Café Bohemia」のプロモーションとして、1986年10月の浦和市文化センターを皮切りに、翌1987年9月の横浜スタジアムまで、実に1年間に亘って全国で約80本のライブを行ったツアーである。

「ライブ」「コンサート」「ツアー」という通常の名称を使わず、ツアー・タイトルに敢えて「ミーティング」と冠したのは、アルバムが1920年代のパリのカフェを念頭に、架空のカフェに集う自由で自律的な「個」のあり方をテーマにしたものだからで、それをミーティングと称したもの。このコンセプトはこの後の佐野の活動の核となる考え方のひとつになって行く。

ツアー本編は5月28日の渋谷公会堂でいったん終了し、7月から8月には仙台、札幌、広島、大阪（大阪城ホール2日間）、福岡、名古屋で「6大都市ミーティング」と題したアリーナ・クラスのスペシャル・ライブを行い、さらに9月14日、15日にはグランド・フィナーレとして「横浜スタジアム・ミーティング」を行った。

このツアーの模様は「横浜スタジアム・ミーティング」からのテイクを中心に初めてのライブ・アルバム「HEARTLAND」として1988年4月にリリースされた他、同年11月にビデオ「Café Bohemia Live! 1986-1987」としても発売された。

この時期にライブ・アルバムを発売したことについて佐野は、アルバム「Café Bohemia」を経てこのツアーでバンドとしてひとつのピークを迎え、それを記録として残したかったと説明している。バンドに「A Young Soul Ensemble」というニック・ネームを付けるなど、バンドとの共同作業に手ごたえを感じていたことが窺える。

このツアーでは僕は、1986年12月2日の京都会館、1987年1月21日から23日の大阪フェスティバルホール（3日とも）、8月1日の大阪城ホールでの公演に行ったようだ。

【音　源】

上記の通り、このツアーの模様は佐野元春の初めてのライブ・アルバム「HEARTLAND」（1988年4月）他に残されている。一部の曲のみ1987年5月の渋谷公会堂での公演から、他は横浜スタジアム・ミーティングからの音源である。

【映　像】

このツアーの様子はライブ・ビデオ「Café Bohemia Live! 1986-1987」として1988年11月にリリースされた他、アンソロジーなどにも一部が収録されている。