Tokyo Monthly 「東京マンスリー」はそのタイトル通り、1986年4月から9月まで6回に渡り東京の日本青年館で毎月1回ずつ行われたライブ・シリーズ。当時僕は京都に住んでいたので一度も見ていない(大学生にはライブを見に東京まで行くとかいう考えはなかった)。 前年の5月に「Visitors Tour」を終えた佐野は、この時期、12月に「Café Bohemia」としてリリースされることになるアルバムのレコーディングを進めながら、5月からは隔月で3枚連続のシングル・リリースも行うなど、動きを活発化させていた。 このライブ・シリーズでは発表前の新曲も披露されていたようだ。レコーディングと並行してのライブであり、新しい曲を観客の前で演奏するショー・ケースであると同時に佐野自身もその手ごたえをレコーディングにフィード・バックしていたことだろう。 このシリーズでは「Visitors Tour」でギターを担当した横内健亨がバンドを脱退、後任が決まらず専任のギター・プレーヤーなしでのパフォーマンスとなった。 このライブ・シリーズについては、1988年発売のビデオ「THE OUT TAKES」に『99ブルース』が収められているのみで、それ以外には音源としても映像としても長く公開されてこなかったが、2006年にリリースされたアルバム「Café Bohemia」の20周年スペシャル・パッケージ「The Essential Café Bohemia」の一部として、シリーズ最終回となった9月25日のライブの一部が収録されたDVDがリリースされた。 【映 像】 上述の通り、アルバム「Café Bohemia」の20周年スペシャル・パッケージ「The Essential Café Bohemia」の一部としてリリースされたDVD収録の映像が現在のところこのライブ・シリーズの唯一の公開された映像である。 このDVDには、東京マンスリーのライブ・シーンの他、1986年当時佐野がパリを訪れたときの様子を収めたドキュメンタリー・タッチの映像やテレビ神奈川のテレビ番組「LIVE TOMATO」のために横浜の新都市ホールで収録されたライブの模様が収められている。 「東京マンスリー」からの映像のうち、フルで収められているのは『WILD HIEARTS』と『SEASON IN THE SUN』の2曲のみで、いずれもブルーベルズの相方として知られるROMYこと石川ひろみ(石川セリの妹)がゲストでステージに立ちバック・ボーカルを担当している。 これら以外に『So Young』と『彼女はデリケート』がダイジェストで収められている他、『虹を追いかけて』は頭から収録されているものの途中でフェイド・アウトしてしまう。どうしてこういう出し惜しみみたいなことをするのか分からないが、貴重な映像であり、まとまった形でリリースされることを希望する。
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