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MITSUDOMOE!! vol.12
青木慶則/山田稔明

■ 2026年7月15日(水) 19:00開演
■ 南青山 MANDALA

Vodal, Piano:青木慶則 Vocal, Guitar:山田稔明

セットリスト  
青木義則(順不同)
● カメラは嘘をつかない
● カーブミラー
● 働き方を考える
● In Tempo, On Time
● Wonder Wonder
● (新曲)
● 北斗七星
● Night Hike
● 世界でいちばん頑張ってる君に

山田稔明
● 三日月のフープ
● ナイトライフ
● 一角獣と新しいホライズン
● 月あかりのナイトスイミング
● 第2の人生
● 僕らの暮らし
● 最後のお願い
● なんということもないありふれた日々の話
● おねがいshooting star
● SING A SONG

アンコール(青木慶則・山田稔明)
● この雨がやんだら



青木慶則、山田稔明、ひとりTOMOVSKYの三人が、3日間にわたって二人ずつ総当たりでツーマン・ライブを行う企画の二日目(初日はひとりTOMOVSKYと青木、最終日は山田とひとりTOMOVSKY)。仕事を片づけて混みあう銀座線で外苑前に向かった。

まずは青木のステージ。青木はHARCO時代から聴いているがきちんとしたライブを見るのは初めて。僕にとってHARCO/青木義則はまずすごくきちんとした曲を書く人。音楽という魚の頭から尻尾までをしっかり知ったうえで、いちばんおいしいところをぜいたくに切り出してくる人。特にHARCO時代のベスト・アルバム「PICNICS」にまとめられている音源を聴けば、その端正で聴きやすい音源がどれだけの大きな音楽的サブスタンス、水面下にある氷山の本体から注意深くすくい取られたものであるかがよくわかる。

しかし、それにもまして青木の音楽を特徴づけるのはその代えのきかない声である。舌足らずのような、甘えたような、少年期のあこがれのような、その声は驚くほどの記名性を持っている。ジョン・レノン、ルー・リード、エルヴィス・コステロといった、声の力で音楽を前進させる力をもつアーティストの系譜に、青木は確実に連なる。その声を堪能できただけでもこの日南青山まで足を運んだ価値はあった。

ステージはグランドピアノの弾き語りをメインに、一部ではサンプラーなどを駆使してメリハリのあるパフォーマンス。1時間弱のショーケース的なステージだったこともあって全体が要領よくまとまっており、知っている曲がほとんどだったこともあって、入口としてはすごくオープンで暖かな雰囲気を感じられた。会場のサイズ的にも目線や声が行き届くパフォーマンスで入って行きやすかった。

オープニングがいきなり僕の大好きな『カメラは嘘をつかない』でちょっと泣きそうになった。ピアノの弾き語りだったのであの小気味のよいアコギのスリーフィンガーピッキングが聴けないのはちょっと残念だったが、この曲ってこういうことを歌ってたのかと新しい驚きもあってすでにモトは取れた気になった。一方で、バックトラックをつかった『Night Hike』がグッとこちらに迫ってくる感じもあって、バンド・セットで見てみたいとも思った。

休憩をはさんで後半は山田のソロ。山田はいつものセミアコを抱えての登場で、基本はギターの弾き語りだが、一部ではやはりサンプラーをつかって表現のレンジを広げようとする試みもあった。青木も山田も、その場にいる全員が自分のふだんのリスナーというわけではない場でのパフォーマンスは、どこか緊張感もある一方で新しく自分の音楽を聴いてもらうというフレッシュな楽しさも感じられた。どちらの音楽も聴く者(そういう人も多かったと思う)としてもそれぞれスリリングだった。

山田の弾き語りソロを見るのは考えてみればひさしぶりだったかもしれない。山田の歌はまず言葉がありメロディがあり、それがビートやグルーヴにのっかって音楽として立ち上がってくる。弾き語りでも歌自体に語るべきなにかがある。歌が歌として成立する最小限、ある種のミニマリズムのなかでこそ見えてくる山田の歌のスゴみみたいなものが確かにある。青木同様短いステージだったが山田の歌の背後に常にある、生活というものに対する真摯なまなざしは間違いなくここでも感じられた。

途中ギターの弦が切れ、張り替えながらMCするシーンもあってなんかちょっとおまけを見せてもらった気がした。そのときの納豆に大さじ1杯の水を差す話は興味深く聴いたがまだ試していない。久しぶりに納豆食べてみたいなと思った。ハンドクラップ3回も問題なくキメた。

夏の一日、仕事終わりにひとり寄り道して音楽を聴く、ぜいたくな夜だった。場所もよかった。



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