logo SPARKS・Cornelius


SPARKS・Cornelius
Cornelius

■ 2026年5月5日(火) 18:00開演
■ SGC HALL ARIAKE

Vocal, Guitar:小山田圭吾

Drums:あらきゆうこ
Guitar, Keyboards:堀江博久
Keyboards:大野由美子
セットリスト  
● Mic Check
● 火花
● Audio Architecture
● Another View Point
● COUNT FIVE OR SIX
● MIND TRAIN
● Aeons
● BAD ADVICE
● TURN TURN
● 環境と心理
● あなたがいるなら



昨年のフレーミング・リップスとのダブル・ヘッドライナーから一年以上、今回はスパークスとの対バンとなった。早くワンマンが見たい。

前回はとにかく初めてだったのでこちらもテンパっており、とにかくガンギマりすぎの演奏とか、それと映像との完全なシンクロとか、MCの一切ないソリッドステートなステージとかに圧倒されまくっていた。しかし今回は違う。二回目だし前日には名古屋で小沢健二を見てきた。時差フリッパーズという器のなかでこちらもちょっとは目の前のできごとを相対化できる余裕があった。

実際、セットリストは『Star Fruits, Surf Rider』の代わりに新曲『Aeons』が演奏されたほかは昨年と同じ。ちょうど1時間のステージで、こうした単発のライブでのフォーマットはだいたいこういう感じに決まってるのかもしれない。

しかし、あらためて見てもこのつくりこまれた音と映像のパッケージには打ちのめされる。もちろんやる側にしたらもう何回もやってる演奏なんだろうし、映像と音のシンクロもつくってしまえばあとは使いまわしなんだろう。しかし、生身とデジタルがどのように婚姻し得るのかという目で見れば、本来混じり合うはずのない両者が、界面で隙間なく接しながら寸分の狂いもなく並走して行くさまは――J.G.バラードが「クラッシュ」で生身と機械の婚姻のエロティシズムを看破した例を引くまでもなく――性的ですらある。

その生身の生身性、ナマナマしさは、シーケンサーがビートを正確に定義すればするほどそれに比例して際だって行く。生身とデジタルは互いに呼び合い、求め合いながら、果てしないフィードバックの応酬のなかでどこまでも高まって行く。そしてそのフィードバックのループをコントロールしているのは間違いなく生身の人間のほうだ。彼らのステージのスゴみはそこにある。

メタリックなまでに強く、固いビート。しかしそこに乗せられるのはギターの物理的な弦の震えであり、小山田の、あのどこか頼りない、何かを言いよどんだみたいなボーカルである。センチメンタルといっていいほど柔らかく、センシティヴなメロディである。その記名性がコーネリアスという可変な運動体のコアにあって、それがバンドも、デジタルも、映像も、オーディエンスも、すべてをコントロールしている。すべてがその一点に依拠して成り立っている。それがこのライブの本質だった。

大好きな『環境と心理』で「ンパン・ンパパン」のクラップができたのがうれしかった。早くワンマンが見たい。スパークスも含めて最初から最後まで座って見られたのは助かった。そういえば『火花』のサブタイトルは「Sparks」だったか。



Copyright Reserved
2026 Silverboy & Co.