JAPAN TOUR 2026
昨年3月のビルボードライブ東京でのステージから1年ぶりのトッド・ラングレン来日公演。職場近くのニュータンタンメンで晩ごはんをすませ渋谷に向かった。彼岸も過ぎ暖かい春の日だったが夜はまだ少し肌寒い。渋谷の街はあいかわらず人が多かった。 前回も書いたと思うが僕のなかでのトッド・ラングレンは1991年のアルバム「2nd Wind」でアップデートが止まっており、その後の作品はフォローしてなかったのだが、聴き慣れた曲も多く演奏されて素直に楽しめた。『I Saw The Light』を3曲目にフル尺で演奏してくれたのは意外だった。この曲は『Hello It's Me』あたりとメドレーでアンコールでやる感じかなと思っていた。 ステージは途中アコースティック・セットをはさみ、また『Honest Work』ではア・カペラで一曲を歌いきるなど融通無碍というかフリーダムな感じ。『Kindness』では指揮棒も振っていたし、「Bang The Drum All Day』ではオーディエンスをステージに上げてスネアを叩かせるパフォーマンスも。アルバム「A Wizard, A True Star」収録のソウル・メドレーも披露するなど古くからのファンも感涙、見ていても退屈しないサービス・メニューだった。 バンドで音が出せること、自由に歌えることが純粋に楽しいのだろうと思わせる縦横無尽のステージ。歩きまわるし、ナゾのダンスはするし、声もしっかり出ている。とても喜寿とは思えない。あらためて思ったが歌もギターもうまい。アメリカで音楽を生業にしロックの殿堂にも入る人というのはこれくらい圧倒的でなければならないのだと実感せずにいられない。ギターはP-Projectのライトグリーンのストラト。昨年のライブでも使っていたものだと思う。「七転び八起き」と日本語で書かれたナゾのロンTを着ていた。どこで買ったのか。 スタジオ音源ではいろいろ実験的なことにも取り組むし、ときにヘンな作品も発表したりするが、こうしてステージで演奏されるとどの曲もしっかりと構築されたポップ・ソング。メロディがしっかり書けている曲は何年たっても古くならないということを身をもって示した。盟友カシム・サルトンをベースに据えたバンドも盤石。楽曲も演奏も、音楽としての完成度というか基礎体力というか、モノがしっかりしているからリスナーは安心して楽しめるのだと思った。プロの仕事だ。 おそらく本人としては別に幅広い音楽をやろうと思っているわけではなく、こんなのはどうだろうと興味の赴くままにやってたらこうなったというその履歴がこれで、もともとそこには制約はなにもなかったということなのだろう。それなのにそれがトッド・ラングレンの音楽という一点で一貫したトーンを奏でているのが余人をもって代えがたいところ。こういうのは家でCDを聴いていてもなかなか実感できず、ライブで体験する機会があったのはありがたい。昨年見たばかりだが今回もサボらずに見に来てよかった。 この日の様子だとまたすぐに来日もしそうだが、毎回これが最後かもという緊張感できちんと見ておくことにしたい。 2026 Silverboy & Co. |