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ソウルボーイへの伝言 2019

■2019.12.26(月) 19:00開場 19:30開演
■CLUB CITTA'

佐野元春&THE COYOTE BAND

Vocal, Guitar:佐野元春

Drums:小松シゲル
Guitar:深沼元昭
Guitar:藤田顕
Bass:高桑圭
Keyboards:渡辺シュンスケ
Percussions:大井'スパム'洋輔
●ヤァ! ソウルボーイ
●境界線
●君が気高い孤独なら
●ポーラスタア
●私の太陽
●紅い月
●いつかの君
●La Vista é Bella
●愛が分母
●新曲(タイトル未定)
●新しい雨
●純恋(すみれ)
●禅ビート
●優しい闇

●ガラスのジェネレーション
●インディビジュアリスト

●New Age



本来は10月12日にツアー初日として行われるはずだったが、台風19号が関東を直撃したためキャンセルとなった公演の振替。ツアー千秋楽となり、また翌日からのクリスマス・ライブと合わせて首都圏3日連続の公演に。

ライブ・ハウス・ツアーということで1階のフロアはスタンディング、2階のみ着席で、寄る年波もあり2階を申し込んだが外れて泣く泣くスタンディングとなった。床に段差も傾斜もなく、前に立つ人によっては見にくいことこの上ないし、開演まで立って待つのもしんどい(始まってしまうとしのげるのだが)。もうライブ・ハウス・ツアーは勘弁して欲しいと思った。

ライブ自体は10月のBLITZ赤坂でのステージとほぼ同内容。オープニングの『ヤァ! ソウルボーイ』を除いて、このところのライブがそうであるように、今回も本編はアルバム「COYOTE」以降のナンバーで固めた。

その中で、来年リリース予定とアナウンスされた新作のセッションからの新曲が披露された。バーズを思わせるフォーク・ロック調の作品で、赤坂でのステージでは『よりよい明日』と紹介されていたが、今回のライブでは「タイトルはまだ決まっていない」とのMCがあった。

アンコールは赤坂とは異なり、佐野に加え深沼、藤田もアコースティック・ギターをかき鳴らすアレンジの『ガラスのジェネレーション』、ハード・スカ・アレンジの『インディビジュアリスト』、2度目のアンコールでアルバムのオリジナルに忠実な『New Age』の3曲。

振替のイレギュラーな日程で開演も遅く、また翌日に別会場でライブがあるため撤収の都合もあったのか、千秋楽の割りにアンコールもMCもあっさりしており、オーディエンスの多くもおそらくは翌日恵比寿に集まる人たちであったと思われ、そういう意味では「クリスマス前夜祭」的な雰囲気があったように思われた。

もちろん演奏はいつもの通りシュアかつ力強く、コヨーテ・バンドが今、ひとつのピークを迎えていることを実感させる充実のパフォーマンスだった。MC通り今レコーディング中の新作が来年リリースされるのだとすれば、披露された新曲からも示唆されたように仕上がりには期待が募る。

ツアーのグランド・フィナーレというよりは、佐野とバンドの等身大の「今」を確認するような、率直で「実質本位」のライブであり、音楽そのものと対面する手ごたえのあるステージで、僕としてはむしろ好ましかった。



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