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Smoke & Blue 2014

■2014.5.14 20:40開場 21:30開演
■Billboard Live TOKYO

Vo,Gt,Pf:佐野元春

Dr:古田たかし
Ba:井上富雄
KB:Dr.kyOn
Chello:笠原あやの
●ヤァ!ソウルボーイ
●It's Alrught
●君が気高い孤独なら
●月と専制君主
●希望
●月夜を往け
●恋する男
●レイナ
●C'mon
●君と往く道
●すべてうまくはいかなくても
●レインボー・イン・マイ・ソウル
●食事とベッド
●約束の橋
●ドクター
●夜のスウィンガー
●ドライブ



今回も9時半からのセットだったので友人と六本木で待ち合わせ、会場近くの蕎麦屋で生湯葉やら穴子の天ぷらやらをつまみながらビールを飲み、鴨南蛮を食べて時間を合わせた。9時前に会場に着いた時には既にいい感じに出来上がっており、僕としては珍しくビールではなくトニック・ウォーターを手に席に着いた。

セットは『君と往く道』が追加されて1曲多くなっていた以外は前回と同じ。落ち着いて、安心して聴けたせいか途中でかなり幽玄の境地になった。佐野のライブで夢心地になるなど以前の僕には考えられないことだが、なんだかそれはそれで楽しく、嬉しかったのが意外だった。

音楽を音楽としてリラックスして楽しむという、ある意味当たり前のライブ体験がこの日の僕にとってスッと腑に落ちたのは、しかし、僕が既にアルコールでいい気分になっていたことだけのせいではなく、このライブのオープンで率直な雰囲気によるものでもあっただろう。

この日僕は、数日間頭を悩ませ緊張を強いられた仕事をひとまず片づけてほっとしていたところだったし、そのような疲れた神経に、この日のライブの音はひとつひとつ丁寧にしみ込んできた。笠原のゆったりとした運びのチェロ、スネアをブラシでこする古田のドラム、佐野の人柄が伝わるギター。音楽に包まれて僕は肩の荷をひととき下ろすことができた。

そういう訳で、この日のライブの何かをとらえて冷静に批評するほどのしっかりとした形のある印象は僕にはなく、もっと全体的で総合的な、包容力のある多幸感のようなものだけが僕のなかに残されたと言って過言ではない。

前回のレビューでは「ライブそのものの感想は3箇月のシリーズが終った段階で書こうと思う」と書いたし、6月のライブはチケットの手配ができていないのでこの日のライブがもしかしたら僕にとって今回のシリーズ最後だったかもしれないのだが、残念ながらライブの内容を詳しく書くのは難しい。

ただ、確実に言えるのは、この日のライブにはそのような楽しみ方をも許容する鷹揚さ、寛容があったということ。僕はそこでHPを回復することができた。それが何より大事なことだと思う。



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