L'ULTIMO BACIO Anno 13
ホットスタッフ・プロモーションが毎年12月に行うシリーズ・ライブ。佐野の参加は3回目になるらしい。会社をタイムリーに抜けられる自信がなかったので有給休暇を取り、余裕をもっての参加になった。 ファンクラブの先行予約でチケットが取れず、平日ということもあって一度はあきらめていたが、知人から余ったチケットを譲ってもらうことができた。しかもそれが最前列で深沼元昭のほぼ正面。臨場感という点では素晴らしい席だった。メイン・スピーカより前の席で、深沼のモニタ・スピーカの方がよく聞こえたが、この際そんなことはどうでもいいくらい得難い体験だったと思う。 1回限りのライブということもあってか、バンドはコヨーテ・バンドとHKBの混成に。集まることのできるメンバーを集めたらこうなったということか。最初ドラムがよく見えなくて、サングラスもしてるので古田と気づかず、「小松君にしてはなんかオカズが雑やな」と思ってよく見たら古田だった。 オープニングは『NIGHT LIFE』。クリスマス・パーティを意識した賑やかなスタートになった。初期のパーティ・ソングで流れを作ったところで、アルバム「Zooey」からのナンバーを続けて演奏。『ポーラスタア』はディラン風のアコースティック・ワルツにリアレンジされてオーディエンスを驚かせた。 その後は12月4日に発表されたばかりの新しいクリスマス・ソング『みんなの願いかなう日まで』を早くも披露。リフレインのコーラスを上下のパートに分けてオーディエンスに合唱させるサービスも。 続く『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』で前半が終了。20分の休憩に入る。このライブではロビーで軽食が提供されており、これもまたひとつの楽しみになっているようだが、人混みが面倒くさいし夕食は別に取る予定だったので席で再開を待った。まあ、そういう趣旨のイベントなのでそれはそれでいいのだろう。 後半は『世界は慈悲を待っている』でスタート。代表曲を中心に、『CHIRISTMAS TIME IN BLUE』も演奏、『悲しきRADIO』で本編はお開きとなった。『悲しきRADIO』はメドレーから『Welcome to the Heartland』のコール&レスポンスつき。 『悲しきRADIO』では「パワースライディングの時だけ写真を撮ってもいい」と佐野が言い出し、2コーラスが終わったブリッジの部分でギターを抱えてスライディングするところを多くの人が撮影したようだ。 佐野はステージで前に出るときは佐野から見て右、オーディエンスから見れば行くことが多いので、あっちへ行くんだろうと思っていたら、僕の目の前にスライディングしてきて驚いた。用意していたら超アップで決定的な写真が撮れたかもしれないが、残念ながら全然そのつもりをしてなかった。まあ、せっかくの決定的瞬間なので、あわあわとiPhoneなんかいじっているより自分の目でしっかり見られたことで十分満足。負け惜しみじゃないよ。 アンコールは『虹をつかむ人』と『アンジェリーナ』。最後に挨拶のために前に出てきたメンバーに対してアンコールを求める拍手がなりやまず、佐野が「負けたよ」とコメントして『NIGHT LIFE』を再演。おそらくこの日の演目以外の曲はこのメンバーで合わせていないのでやりようがなかったのだろう。全編19曲のステージだった。 イベント性の強いステージであり、批評性を求めるよりはパーティ的に楽しんでいいライブだったと思う。選曲は初期のパーティ・ソングから最新アルバム、さらには直近のシングルまでバランスもよく、素直に楽しめたと思う。『99ブルース』は要らない気もしたが、流れを損なうことはなかった。あと、やっぱり僕はコヨーテ・バンドが好きだなと再確認した。 2013 Silverboy & Co. e-Mail address : silverboy@silverboy.com |