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99年7月31日(土)

●8月にはポルトガル旅行が控えているがこの気候のいい7月を無為に過ごしてしまうのはもったいない、どこか行こうということでいろいろ考えたのだが、ちょっと1泊とか2泊で行けそうなところってもうだいたい行っちゃってるんだよね。で、今回は考えたあげく、今までもう何回も行ってるが不思議と泊まったことのないハイデルベルグをゆっくり訪ねようということになった。ところがこの週末にハイデルベルグのすぐ近郊のホッケンハイム・サーキットでF1があるせいかホテルが全然取れない。しかたなくホテルは古城街道をもう少し奥に入ったハイルブロンに取ったのだが、そうするとやはりハイデルベルグは立ち寄るだけか。僕はいつになったらハイデルベルグにゆっくり泊まれるんだろう。
●僕は昔ハイデルベルグから電車で15分ほどのところにあるマンハイムという街で半年間語学学校に通っていたので、ハイデルベルグには既に5、6回は来ている。いちばん印象的だったのは寒い2月の午後、ハイデルベルグ城のバルコニーから、一面雪に覆われた街の景色を見たことだ。あれ以来この城のバルコニーから見る景色は僕のドイツの原風景とでもいうべきものになった。ドイツには他にもキレイなところはいくらもあるけど、僕には最も思い入れの強い街のひとつだ。
●デュッセルドルフからは高速をとばして2時間半で着いた。それにしても暑い。今年の夏は暑いね、本当に。最近の日本みたいに35度とか40度とかにはならないし、湿気はなくてカラッとしてはいるが、その分まめに水分を補給しないとすぐに消耗してしまうし、冷房も行く先々で完備している日本とは違い、ごく限られたところにしかない。しっかり汗をかいてアイスとか水とかビールで一息つく、それがドイツでは正しい暑さのやり過ごし方のようだ。
●駐車場にクルマを入れて、歩行者天国になっているハウプト通りを歩いたが、土曜日の昼とあって買い物の人出も多い。教会の前に出ているレストランのテラスで適当に昼メシ。本当はここのツム・リッターというホテルに泊まりたかったのだが。で、ケーブルカーで山の中腹にあるハイデルベルグ城へ。入場料を払って城の中庭に入り、ついでというかせっかくなのでかつて税金として徴収したワインを貯蔵したという大樽を見学、ワインを試飲してオリジナルのグラスをもらう。何度も繰り返してきた行動である。
●城のバルコニーには日本人観光客の団体がいくつも訪れている。下の街ではあまり見かけなかったのに、おそらくはバスで直接城に乗りつけるというピン・ポイント攻撃を行っているのであろう。何食わぬ顔をしてガイドの日本語の説明を盗み聞き。だって聞こえちゃうものは仕方ないだろう。でも、家々のオレンジ色の屋根、教会の塔、ネッカー川、橋、対岸の丘、郊外に広がる緑、ここから眺める景色はやっぱり美しい。この構図の銅版画が欲しい。
●そうそう、今回のハイデルベルグ旅行の目的は版画探しでもあったのだが、教会脇の版画屋で見せてもらったのはどれもアンティークで高すぎ。アンティークでなくていいから仕事が丁寧で構図のいいのがいいなと思ったんだがなかなかこれというのが見つからなかった。つたない版画1枚にアンティークだというだけで何百マルクも出すのはもったいない。仕方なく版画は買わずに帰ってきた。今度デュッセルドルフの行きつけのギャラリーでハイデルベルグのいい版画がないか訊いてみよう。
●下りは歩いたのだが、このダメージが意外と大きく、ハウプト通りを駐車場まで戻る間にくたくたに疲れてしまった。山を下りきったところでちょっとカフェに入るとか何とか水分の補給をするべきだったのだ。何とかクルマにたどり着いたが走り出してすぐガソリン・スタンドに寄ってジュースを買った。ドイツには自動販売機もコンビニもないので、ジュースやアイスなどのちょっとしたものは(特に普通の商店の営業時間外は)ガソリン・スタンドで買うことになっている訳だ。
●そうやってハイデルベルグを出たのが午後4時頃、結局今回も駆け足の観光であった。で、いわゆる古城街道を東へ、ネッカー川沿いを行く。いい景色である。ただここは鉄道の便が悪いからクルマなしで個人で旅行するのは厳しいかもしれない。1時間ほどでハイルブロンに到着。ここは一応人口10万人の街だが、土曜の夕方とあって街は静まり返っていた。あとで調べたところによるとどうもこの日から移動遊園地がオープンすることになっていたようで、街の人はみんなそっちへ行ってたのかもしれない。
●ホテルは特に伝統のある格式の高いところではないようだが、この街ではいちばん大きいところらしく、結婚式が2つと、だれかの50歳と85歳の誕生日パーティーが入っていた。フロントの応対が気持ち悪いほどいい。晩メシは市庁舎の1階にあるラーツケラーで食べたが、ここのウェイターも気持ち悪いほど愛想よかったな。ちょっとゲイっぽかったかもしれない。ラーツケラーはちょっと高級感があったがきちんとしたシュベビッシュ料理を食べさせる。注文したときに「これって多すぎないかな」と訊いたら少なめにしてくれた(値段もちょっと安くしてくれていた)。それでも量的には十分だったけど。地場の赤ワインも飲んだがすごく軽くてまるで白みたいだった。

99年8月1日(日)

●今日は帰るだけ。高速をとばして3時間で帰ってきた。全部で700km弱の行程だった。


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