■ 現在・過去・未来
「G*R*A*S*S」は不思議なアルバムだ。コンピレーションでありながら佐野元春自身の強い「意志」が見える親密な作品。注意深く散りばめられたホットスポットのような手がかり、ヒント、そう、このアルバムは確かに佐野元春の現在・過去・未来と繋がっている。
■ 「G*R*A*S*S」をめぐるミステリー
この作品をどう読み解くか、もちろんそこに正解がある訳ではない。むしろそこには聴き手の数だけの解釈があり、謎解きがあるのではないだろうか。そんな思いから僕は、何人かの友達に声をかけた。このアルバムに対する君の考えを聞かせてくれないか、と。さまざまな「謎解き」をパラレルに並べることで、このアルバムが見る人の思い入れによって姿を変える多面体のような作品であることを印象づけることができるのではないか、と僕は思ったのだ。
■ いくつかのライナーノーツ
そうやって集まったのがここに掲載するいくつかのライナーノーツだ。みんな快く僕の呼びかけに応じてくれた。そこに示された視点はさまざまだけど、その多様性こそが、このアルバム、いや、佐野元春というアーティストがもつ奥行きや広がりの豊かさを雄弁に物語っていると思う。是非、ここで「G*R*A*S*S」をめぐる謎解きを楽しんで行って欲しい。
2001.1.10
Silverboy
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