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THE ESSENTIAL TRACKS 2005-2020
佐野元春&ザ・コヨーテバンド

DaisyMusic
POCE-9399/400 [2CD+BOOKLET] (2020.10.7)

PRODUCER:
佐野元春
CO-PRODUCER:
大井洋輔
RECORDING & MIXING ENGINEER:
渡辺省二郎
MASTERING ENGINEER:
Ted Jensen

作詞・作曲:
佐野元春
DISC ONE

君が気高い孤独なら (2020 mix & radio edit)
 Sweet Soul Blue Beat
境界線 (2020 mix & radio edit)
 The Border
バイ・ザ・シー (2020 mix & radio edit)
 By The Sea
エンタテイメント!
 It's Only Entertainment
天空バイク
 Cosmic Bike
世界は慈悲を待っている
 Grace
東京スカイライン
 Tokyo Skyline
La Vita é Bella
 La Vita é Bella
ポーラスタア
 PolaStar
悟りの涙
 (She's not your) Steppin' Stone
紅い月
 Blood Moon
黄金色の天使 (2020 mix & radio edit)
 Golden Angel
純恋(すみれ)
 Sumire
禅ビート
 Zen Beat
コヨーテ、海へ
 Coyote
優しい闇
 Everything Has Changed
DISC TWO

星の下 路の上
 Boy's Life
世界は誰の為に
 Change
荒地の何処かで
 Wasteland
ヒナギク月に照らされて (2020 mix & radio edit)
 Daisy Moon
夜空の果てまで
 Everydays
Us
 Us
君と一緒でなけりゃ
 Ship of Fools
私の太陽
 Mon Soleil
いつかの君
 Hard Times
虹をつかむ人 (2020 mix & radio edit)
 Catch the Rainbow
詩人の恋
 The Poet's Love
誰かの神
 The Actor
キャビアとキャピタリズム
 Caviar and Capitalism
朽ちたスズラン
 Let's Forget
現実は見た目とは違う
 The Mirror of Truth
空港待合室
 The Passengers


 

デビュー40周年を記念して企画されたCD2枚組、2005年のEP「星の下 路の上」以降、コヨーテ・バンドと制作した楽曲のベスト。全32曲。デビューからアルバム「THE SUN」までの作品からのCD3枚組のベストが同じ日にソニー・ミュージック・ダイレクトからリリースされており、両方を合わせて佐野の全キャリアを総括する実質5枚組のセットになる。当初は6月10日リリースと告知されていたが「新型コロナウィルス感染症の影響で」リリースが延期され、9月23日に上記のソニー版ベストと同時発売されると告知された。その後「製造過程で重要なミスがあったため」発売はさらに延期され、最終的に10月7日にリリースされた。

新曲『エンタテイメント!』を収録。一部の曲に渡辺省二郎がリミックスを行っている他、一部をカットしてサイズを短くした曲に加え、テンポを落とすことでサイズを長くするという異例の編集が行われた曲が複数ある。大谷隆之による「HISTORY of THE COYOTE BAND」と題するバンド・ヒストリーや佐野自身による各楽曲へのコメントなどを掲載した100ページを超えるブックレットが付属している。

佐野がコヨーテ・バンドと制作したオリジナル・アルバムは4枚で収録曲は48曲。これにEPで発表された曲などを加えても50曲強の中から新曲を除いても31曲を収録しており、「エッセンシャル」という割りには対象となる曲の半分以上を占める。特にアルバム「BLOOD MOON」からは全12曲のうち実に10曲がこのアルバムに収録されており、オリジナル・アルバムを買わなくてもいいくらい。逆に、コヨーテ・バンドの演奏ではあるものの佐野個人名義のアルバムとしてリリースされた「或る秋の日」からは収録されていない。

佐野自身がいかにコヨーテ・バンドとの活動に手ごたえを感じ、最近の作品に自信を持っているかということの表れだとは思うものの、約170曲から48曲をセレクトしたソニー版のベストに比べると、この半分の曲数くらいがアルバム4枚のバンドの初めてのベスト・アルバムとしては妥当だったのではないかという気もする。

ただ、実際聴いてみると外すべき曲はなかなか見当たらず、現在に至るコヨーテ・バンドとの活動が充実したものだということが実感できるのは確か。これ以上絞りこめない、これくらいは全部聴いて欲しいという佐野の意向も十分理解はできる。2枚のCDに各アルバムからの曲が分散して収録されている(佐野によれば1枚目がメイン・ストリーム、2枚目がオルタナティブ)ので、2枚の違う視点からのセレクションとして聴くのもいいかもしれない。

シングル曲は『新しい雨』を除いて概ね収録されるなど、主要曲に対する目配りはもちろんあるが、『朽ちたスズラン』『誰かの神』『Us』などの地味な曲も収められており、コヨーテ・バンドの最初の音源である「星の下 路の上EP」からレーベルのテーマ・ソングとも言える『ヒナギク月に照らされて』が収められているのも印象深い。

ソニー版とは異なり、継続しているバンドとの活動の現在地を記録したスナップ・ショットであり、この先もここに加わるべき楽曲が発表されて行くことになる訳だが、まずはここまでの15年を総括するセレクションとして手許に置くには必要十分な内容だと言っていいのではないか。

なお、リミックスされたことがクレジットされている曲は以下の通り。

本作初出のバージョン
君が気高い孤独なら:テンポをやや落とし、オリジナルより5秒程度サイズを伸ばしている。楽器の定位などがオリジナルとは異なっている。
境界線:新ミックスと記載されているが、オリジナルとの顕著な違いはないように思われる。
バイ・ザ・シー:テンポをやや落とし、オリジナルより4〜5秒程度サイズを伸ばしている。ギターやボーカルがよりはっきり立ち上がっている印象がある。
黄金色の天使:イントロを4小節カットしたうえ、アウトロのフェイド・アウトを早めてオリジナルより1分程度サイズを短くしている。例えばイントロのピアノのストロークが聞こえないなど楽器のバランスが調整されている。
ヒナギク月に照らされて:イントロにハモンドが挿入されたり、Aメロの部分をダブル・ボーカルにするなど、かなり大きなリミックスが行われている。
虹をつかむ人:テンポを大きく落とし、オリジナルより20秒程度サイズを伸ばしている。音の感触もかなり異なる。

この他、特にクレジットはないものの、『La Vita é Bella』は当初発表されたシングル・バージョンとアルバム「ZOOEY」に収められたバージョンが異なっており、このアルバムに収められたのはシングル・バージョンの方。また『コヨーテ、海へ』はアルバム「COYOTE」に収められたオリジナル・バージョンから楽曲終了後の波の音のSEが削られており、これはコンピレーション「SOUND & VISION 1980-2010」収録のバージョンと同じである。



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