■2005年7月28日(木) 【親善試合 FC東京×バイエルン・ミュンヘン】
●飛田給の駅を降りたら結構バイエルンのユニを着ているヤツがいるので驚いた。FC東京のシーズン・チケット・ホルダーであり、かつてドイツに住んでブンデスリーガに強い思い入れを持つ者にとって、この顔合わせはやはり外す訳には行かないだろう。バイエルンははっきり言って嫌いだが、それにしたってその辺りのバイエルン・ファンよりもバイエルンを知っているという自負はある。
●27日のリーガ・ポカールを欠場したカーンは背中に異和感があるということでこの日も出場できず。GKはレンジングと発表されるといかにもがっかりという感じのどよめきが。他にもショルとゼ・ロベルトが帯同せず、シュヴァインシュタイガーの名前もなかった。一方のFCも土肥、茂庭、今野、加地を代表召集で欠く他、ジャーン、金沢、戸田、ルーカスもケガで欠場とあって、レギュラーで先発に名を連ねたのはかろうじて石川のみといった状態。新外人ササをワントップに据えてのキックオフとなった。
●試合開始直後こそ宮沢の美しいロングフィードから石川の右サイド突破というシーンもあったものの、次第にバイエルンが流れを支配し、19分にはFCのうかつなパスをカリミにカットされ、ゴール前で横パスを受けたマカーイが冷静に流しこんでバイエルンが先制、30分にはハーグリーヴスのCKをルシオが頭でたたきこんで2-0となった。FC東京はいいところのないまま前半を終えた。
●後半バイエルンはルシオを初めとして4人を交替させたがそれでも全然格落ちにならないところがさすがである。GKはレンジングから本来GKコーチながらたぶんカーンの欠場により急遽選手として登録したドレーアーに交替。74分にはゴール前で鈴木がクリアしきれないボールをゲレーロに奪われて失点、76分にはやはりFCのうかつなパスをカットしたサリハミジッチが抜け出し、GK遠藤との一対一を決めて4-0。FCも馬場を中心に攻めたが決め手がなく結局ユヴェントス戦に続いての完敗となった。
●まあ、主力が全然いなくて、という言い訳は別にすれば、やはりひとりひとりの選手の資質というか強さというか、レベルの差を感じてしまう試合だった。ダイスラーなんか疲れのせいか足技ダメダメだったのに、それでも一対一では勝てない。もちろん親善試合なので厳しい削り合いやスライディングは遠慮もあったと思うが、伝統的にツヴァイカンプフ(一対一)を重視するブンデスリーガの流儀と、フィジカルよりスピードで勝負のJリーグの流儀のぶつかり合いで負けたという感じがした。
●ドリブルでつっかけてもことごとくはね返される状態だし、クロスを放りこんでも競り勝てる訳でもなし(まあ、ルシオとイスマエルのCBに競り勝てという方が無理か…)、そういう状態をどう打開するかというアイデアが何もなかった。残念ながら今日のメンバーではこれが限界かなと思ってしまう試合だった。ササは今日の試合だけでは何とも言えないといったところ。
●バイエルンは強行スケジュールではあったものの手抜きのない試合をしてくれたと思う。僕なんかドイツから日本に飛行機で来ると移動疲れと時差で出勤するのもしんどいのに、中二日でサッカーの試合をしてしまうのだからすごい。バラックはゴールこそなかったけど存在感はあった。ダイスラーも。あとイェレミースは効いていたと思う。ショルが見られなかったのは残念だったけどイェレミースが見られて嬉しかった。あと、サリハミジッチは敵にすると本当にイヤな選手。マカーイもふだんはサボっているのにワンプレーで得点してしまう怖さがある。ゼ・ロベルト見たかった。サニョールが上手くて驚いた。
●という訳で、Jリーグはまた謎のブレイクに入り、存在意義のよく分からないオールスターを迎えることになる。何なんだ、オールスターって…。
■2005年7月23日(土) 【Jリーグ第18節 FC東京×神戸】
●2試合続けてのホーム、とはいえ今日は国立競技場での試合だった。いったん国立競技場までたどり着きはしたが、事情で試合が始まる前に泣く泣く国立を後にして自宅に戻った。試合経過は「J's GOAL」のリアルタイム速報で確認しながらテレビで清水×浦和とか見ていた。
●今日は神戸に1点先制されてもあまり負ける気がせず、後半に馬場のゴールで追いついたときには「ほら、やっぱり」みたいな感じだった。ロスタイムとかに劇的な勝ち越し点が入るかと思ったがさすがにそれは甘かったか。でもカウンター一発の失点をきちんと返して引き分けにしたのだから評価はできるんじゃないかと思う。詳しくはテレビ東京の録画中継を見ることにしよう。
●さて、先々週の週末にネットで注文したドイツのサッカーグッズが今週次々に届いた。まずはアマゾンで注文していたDVD2本、「Bundesliga-HIGHLIGHTS 2004/2005」と「40 Jahre Bundesliga」。これは再生方式がPALなので普通のDVDプレイヤでは再生できないかもしれないが、PCでは問題なく見られる。特に「HIGHLIGHTS」の方はシーズンの総括として必携だろう。本当は一昨年まで出ていた「Bundesliga Total」というシリーズの方がいいんだけど、昨年から「Total」はなくなって「HIGHLIGHTS」しか出てないみたい。
●次はグラードバッハのサイトで注文していたユニフォームとCD、DVD。ユニは白のホーム用で背番号は「27」、オリバー・ノイヴィルである。本当はデモの「6」が欲しかったんだけど移籍してしまったので。ついでに買ったCDはグラードバッハの応援歌を集めたもの。かつてベケルベルグに通っていた頃、スタジアムで聴いた曲がたくさん入っていてすごく嬉しかった。特に「Die Elf vom Niederrhein」は涙なしには聴けないね。今でもこれ、試合前に大合唱してるのかなあ。してて欲しいなあ。DVD「Der Mythos zieht um.」は新しいスタジアムができるまで、という内容で今ひとつだった。
●最後に届いたのはいわゆる「青kicker」と「赤kicker」。「青」は昨季の総括で、ブンデスリーガ全試合のスコアが評点入りで掲載されている。これをさっきの「HIGHLIGHTS」とセットで手許に置けば貴重な記録になる。「赤」は今季の各クラブのメンバーやレビューが載っている。これもテレビ観戦には書かせない重要な手許資料である。サイトから注文した後、「航空便で送ってね」とメールしておいたらちゃんと送ってくれた。去年とかは恐ろしく時間がかかったのに。
●ところで今日の新聞を見たらグラードバッハが中村俊輔にオファーを出しているそうで驚いた。まあ、中村はセルティックに行きそうな様子だけど。ブロイヒもクルーゲもいるんだから別に中村獲らなくてもいいだろう。いくらスポンサーが京セラだといってもさ。
■2005年7月17日(日) 【Jリーグ第17節 FC東京×横浜】
●最後に味スタで勝ったのは4月10日の磐田戦。ブレイク後もセレッソ戦では2-0からロスタイムに追いつかれて引き分け、読売戦ではダービーにもかかわらずスコアレスドローとさえない試合が続いていたので、水曜日の清水戦の勢いで今日こそ勝って欲しいと思いつつも相手が横浜だしなあ、という今日の試合。既報の通り前売りも残席わずかでいやが上にも盛り上がる他ないという状況で18:00過ぎにスタジアム入りした。
●試合は横浜の優勢で始まった。FC東京陣内でいくつかピンチを迎えるが土肥の好セーブもあり失点を許さない。10分を過ぎた頃からFCの攻撃もつながり始め、20分には梶山のシュートから得たCKを今野が頭で合わせてFCが先制した。連敗中から形はよくても攻めている時間帯に先制点が取れず先に失点してそのまま負けてしまうパターンが多かっただけに、この先制点はとても大きかった。
●後半に入って横浜が修正してくるかと思ったが、50分にゴール左で得たFKを鈴木が直接決めて2-0に。左足で蹴る鈴木には難しい角度で直接は難しいのではないかと思ったが、アウトにかけた力のあるシュートがまさにゴールネットに「突き刺さる」感じ。この2点目で試合の流れは完全にFCに来た。この試合で最も重要な得点だったと思う。あとは坂田、久保を投入して前がかりになる横浜をジャーン、茂庭が防ぎ、カウンターで裏を取るという形で83分に鈴木、86分には馬場が追加点を挙げ、結局4-0でFCが横浜に完勝した。
●この試合、石川がケガで23分に退くというアクシデントがあったものの、交替で入った鈴木が2得点の活躍で試合を決めてくれた。最初の2得点はいずれもセットプレーからだったし、あとの2点は試合展開からはあり得べき得点だったけど、これまでセットプレーが全然決まらなかったことを考えるととにかく得点すべき時に得点できたのが今日のポイントだったのかもしれない。あと、こういう試合だと、最後の5分とかに1点取られたりしがちだけど、それを無失点に押さえたのは非常に重要だったと思う。
●では、採点。
土肥(1.5)、加地(3.5)、ジャーン(2.5)、茂庭(2)、金沢(3)、今野(3.5)、梶山(4)、石川(-)(23.鈴木(2))、栗澤(3.5)、戸田(3)、ルーカス(2.5)
●来週は国立だ。
■2005年7月16日(土) 【Jリーグ第16節 清水×FC東京】
●英国週間の水曜日の試合。さすがに仕事休んで日本平まで見に行く訳にも行かないのでテレビ観戦だ。幸いNHK-BSで中継があったのでこれを録画し、会社から帰ってシャワー浴びてメシ食ってから見た。もちろんそれまで結果は見ないようにしながら。
●結果から先に言えば、FCが62分のルーカスのゴールで挙げた1点を守りきってリーグ戦では12試合ぶりの勝利を手にした。FCは茂庭とジャーンがチェを完全に押さえ込み、再度からの攻撃も加地、金沢がケア、土肥の好セーブもあって3試合連続の無失点。攻撃は石川のクロス、シュートが荒っぽくなかなか決定的な形にならなかったが、この日先発したルーカスによくボールが収まり、得点シーンでは難しい角度からのグラウンダーのシュートがゴール左隅に決まった。
●梶山、栗澤もよく動いていたと思う。何よりここという時間帯に1点を挙げられたこと、そしてその1点をきちんと守りきったことが大きい。ロスタイムにはゴール前で清水にFKを与え、土壇場で追いつかれて引き分けになった大宮戦やセレッソ戦が頭をよぎったが澤登がこれを外してくれた。その直後に試合終了の笛。
●これでFCはブレイク明けから4試合負けなし、勝ち点6を上積みして降格圏を脱出、13位に順位を上げた(降格圏との勝ち点差は1だけど)。これをきっかけにしたりきちんと「勝つ」ことを思い出して欲しい。テレビ観戦なので採点はなし。
●次節は明日、味スタに横浜を迎える。この試合、公式HPのチケット前売り情報を見ると既にU自由席とGI自由席が売り切れ。花火もあるし三連休だし夏休みも近いしということで盛り上がっているのだろうか。早めに行っていい席確保した方がいいかもしれないな。
●さて、ブンデスリーガの方は8月5日の開幕に向けて準備が進んでいる。我がグラードバッハは1860と練習試合を行ったが負けたようだ。このあとスパルタ・プラハ、ゲンク、グラスゴー・レンジャーズ、PSVとなかなか面白そうな顔ぶれとの練習試合が予定されている。開幕は金曜日の夜に先行して行われるアウェイのバイエルン戦だ。Jスポーツで生中継があるはずだが番組表の開始時刻が合っていないのが不安。
●これに先立ってプレシーズン恒例のリーガポカールが開催される。まずは7月23日にデュッセルドルフのLTUアレーナでブレーメン×レバークーゼン(1)、ヘルタ×VfB(2)が、26日にはミュンヘンのアリアンツ・アレーナでバイエルン×(2)の勝者、ヴェルティンズ・アレーナ(アレーナ・アウフ・シャルケ)でシャルケ×(1)の勝者で準決勝が行われる。決勝は8月2日、ライプツィヒのツェントラールシュタディオンで。
●プレシーズンの話題をもう一つ。プレシーズンというか何というか、既にUIカップが始まっている。ブンデスリーガからはHSVとヴォルフスブルグが2回戦から、BVBが3回戦からの参加となる。HSVとヴォルフスブルグは2回戦を勝ち抜いており、BVBとともに3回戦を戦う。この週末がファースト・レグ、23日がセカンド・レグになる。最終的には3チームがUEFAカップに出られるようだ。
■2005年7月9日(土) 【Jリーグ第15節 FC東京×読売ヴェルディ川崎】
●ひどい雨の中で行われた東京ダービー。普通スタジアムを共有するクラブどうしのダービーだともうちょっと盛り上がると思うんだけど読売側のこの動員の少なさはいったい何なんだ。かつてJリーグが発足した当時、国立を満員にしていたあの婦女子はみんなどこに行ったんだ。あれはみんなミーハーだったということか。ただの流行りものだったということか。今日はFCがホームだけど読売がホームの時もたぶん確実にこっちの応援の方が多いぞ。真面目にファンを掘り起こした方がいいんじゃないか。
●ここ2試合続けて7失点で負けているクラブ(15位)とここ10試合リーグ戦で勝っていないクラブ(16位)という寂しいダービーであったが、傘をさしてスタジアムに近づくとまだ試合の1時間近く前だというのに応援の声が聞こえる。ゲートを入ってみると、FCのファンが大挙して旗を振り大声で歌いながらスタジアムの周りのコンコースを練り歩いていた。「オレオレオレオレオレ東京、立ち上がり飛び跳ねろ、今日は負けられない日だ、飛べ叫べオレの東京」。ちょっと感動した。
●試合は序盤FCのペース。右サイドから何度か惜しいチャンスを迎えるが得点できない。15分頃からは読売もペースが出始めたのか次第にプレスが早くなり、自陣のうかつな横パスをカットされて押しこまれる時間が多くなる。しかしワシントンを茂庭とジャーンがよくケアし、決定的な仕事をさせず前半を0-0で折り返した。
●後半開始早々は再びFCが主導権を握る。雨で滑りやすい足許をうまく使ったパスまわしで読売ゴールを狙うが決定弾が出ない。次第にピッチに水が浮き始め、60分過ぎからは、あ、そのパス通されるとヤバい、というボールが水たまりで止まってしまうようなデタラメな状況になる。コンディションが悪いせいかワシントンのモチベーションがあからさまに落ち、80分には戸川が2枚目のイエローで退場となってからはFCが押しこんだが結局1点を奪うことができずスコアレスドローとなった。
●ダービーで大勝して勢いをつけたいところだったが、またしても決定力を欠き3試合連続の引き分け。このコンディションの中、ワシントンを押さえこみ無失点を守ったんだから、やはり点を取れなかったのが問題だろう。先発のルーカスはよくキープしていたし戸田も相変わらずよく走っていたが、やっぱり攻撃が大雑把な感じ。いいところまでは行けるんだけど、引いて守られるとそこを強引にこじ開けられる力が足りない感じ。
●逆に中盤での甘いパスをカットされてピンチになることも多かったが、そこは土肥が何とかしのいだ。決定的な場面で勝手にフカしてくれたり、1対1のヤバいヤツを土肥がセーブしたりしたのもあった。難しいコンディションでキャッチとパンチングの判断も的確だった。梶山は今いちだった。まあ、連敗よりは引き分けで勝ち点が取れるようになっただけ進歩したということか。ここ3試合で積み上げた勝ち点3がいずれものをいうのだと信じたい…。
●採点。
土肥(2.5)、加地(3)、ジャーン(3.5)、茂庭(3.5)、金沢(3.5)、今野(4)、梶山(5)、石川(3.5)、栗澤(4.5)、戸田(4.5)、ルーカス(4)
■2005年7月2日(土) 【Jリーグ第13節 FC東京×セレッソ大阪】
●全34節の第12節と第13節の間に1ヶ月以上のブレイクがあるというヘンな日程ではあるが、コンフェデも終わりようやくJリーグが再開された。我がFC東京はセレッソを味スタに迎えての出直し戦。リーグ戦は第4節の磐田戦に勝って以来1分7敗とひどい成績でいつの間にか降格圏に転落してしまった訳だが、ブレイクの間にケガ人もほとんど復帰し、ここからまた上を目指さなければならない。
●今日はボランチに三浦を起用、左右に栗澤と石川を配し、戸田と近藤のツートップという4-4-2の布陣。僕としては宮沢を使って欲しいが、まあ仕方ない。結果は2-2の引き分け。0-0で迎えた後半、53分に石川のクロスから戸田のダイビング・ヘッド、55分には加地のシュートをGKが弾いたところにルーカスと立て続けにゴールを決めてお祭り騒ぎになったが、75分にPKで1点を返され、終了間際の90分にはFKをゼ・カルロスに直接決められて同点となった。
●ホームでもあり主導権は完全に握っていた試合だっただけにもうもったいないとしか言いようのない結果。やはり終了間際に追いつかれて引き分けになった大宮戦を思い出してしまった。2失点はPKとFKであり仕方のない面もあるが、それ以前のチャンスに決めきれなかったシーンもあったし、何より1点差で残り3分というときの戦い方がきちんと意思統一できてないんじゃないかと思った。
●最近では代表でも積極性の出てきた加地が今日もよかったと思う。あと三浦の存在はやっぱり精神的な意味もあって大きいんだろうなと思った。石川は髪が短くなっていた。
●採点。
土肥(3.5)、加地(2.5)、ジャーン(3.5)、茂庭(3.5)、金沢(3)、今野(3.5)、三浦(3)、石川(3)、栗澤(3.5)、戸田(3)、近藤(4)
●さて、人事関係だが、FCはダニーロをメキシコのアトラス・グアダラハラへ今季いっぱいレンタルすることになったようだ。やはり日本にうまく馴染めなかったのだろうか。もったいないというかちょっと可哀想だ。その代わりということでパラグアイのセロ・ポルテーニョからササ(本名:サンチアゴ・サルセード)というFWを獲得した。代表歴のあるパラグアイ・リーグの得点王らしい。ルーカスとどう棲み分けるんだろ。
●ついでにブンデスリーガの話題だが、今日のトーチュウに「中田英 シュツットガルト!?」という記事が載っていた。新しくVfBの監督になったトラパットーニが中田を欲しがっているという話のようだが、僕としてはブンデスリーガで中田を見たい気はする。グラードバッハがオファーを出していた中澤は横浜残留を決めたらしい。あと、レバークーゼンのポンテが浦和に移籍するとか。