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アムステルダム

●アムステルダムにはこれまでも何度か行こうと思ってホテルを手配したりしたのだが目当てのホテルがいっぱいだったりして2度ほど挫折した経緯がある。今回も旅行代理店で取ってもらったホテルはかなり高めだったが、まあ連休だし仕方ないかと割り切ってついに実現した(個人的には6年半ぶりか)アムステルダム旅行である。
●オランダといえば風車とチューリップの国でのどかなイメージがあるかもしれないが、その首都アムステルダムは世界中から旅行者の集まる国際観光都市であり、飾り窓のある港町であり、ついでにソフト・ドラッグも解禁されていて、無国籍で危険な雰囲気の漂う街としての側面も持っている。実際治安のいいオランダの中でもアムステルダムの中央駅周辺なんかは例外的に危険な場所ということになっている。
●この街はまた運河に囲まれた水路と橋の街でもある。街を縦横に流れている運河は海を干拓して領土を広げてきたこの国の歴史そのものであるとともに水運の重要な通路であり、運河めぐりの観光ボートがひっきりなしに走っている。あちこちに残された中世の建物、街並みと運河の組み合わせはこの街の成り立ちを物語るようで旅行者を退屈させない。

クルマで行くアムステルダム

●さて、今回僕たちはクルマでアムステルダムに乗りこんだ訳だが、この街はよそ者がクルマで入りこむには向いていないところだと言っておいた方がいいだろうと思う。市内の道は基本的に中央駅を起点に放射状に伸びるものと同心円状にそれをつなぐものの2種類で構造的には難しい訳ではないが、中心部には歩行者天国や一方通行もあり、細い道も多くて部外者には分かりにくい。
●表示も不親切というか何というか、オランダ語ってアルファベットに慣れた目にも一目で見にくいし、特に中心部の表示がよく分からない。それから路面電車がひっきりなしに走っているし(僕もぶつかりそうになった。優先関係がよく分からない)、恐ろしい数の自転車が走っているし(ここは北京かと思うくらい)、何とか目的地の近辺にたどり着いたとしてもこんどは駐車スペースがなくて走り回っているうちにどんどん目的地から離れていったりするのである。
●そんな訳で駐車場のついたホテルを探したのもホテルが高くついた原因の一つであった。路上駐車だと治安にも不安があるし(車上狙いとか)。事前にかなり地図を読みこんでいったが、いかんせん手持ちの地図が不親切だったせいもあって僕も随分迷った。たまたま信号待ちでハイネケンのビール博物館の隣に停まったところで地図を見たのがラッキーでホテルにはたどり着けたが。クルマで行くなら事前にホテルから道順をファックスでもらっておくべきだと思った。

カナビス

●さて、アムステルダムといえば大麻である。オランダは世界に先がけてソフト・ドラッグの個人的使用とそのための所持を一定限度まで罰しないという政策を導入している。この辺の詳しいことはどこか他のところで調べてみて欲しいが、要はエンド・ユーザーとしてマリファナやハシシをちょっとたしなむだけなら問題にされないということだ。合法化されているというのともちょっと違う微妙なハナシである。
●アムステルダム市内には「コーヒー・ショップ」と書かれた店がたくさんあるのでソフト・ドラッグはそこで買うことになっている(らしい)。こういう店では店先のテラスで客が甘い香りのタバコを悠然とふかしている。値段とか種類とかは自分で行って確かめてくれ。僕が責任を持って言えるのは市内にはたいていどこにでも「コーヒー・ショップ」が点在しているということだけ。それから「カフェ」と名乗っている店はただの喫茶店である。
●あと、市内には花市場という観光名所があって、オランダ名産チューリップを始めとする美しい花や園芸用品、土産物を売る店が軒を並べているのだが、そこでカナビス栽培セットというのを見つけた。1セット6.50ギルダー(400円ほど)で、水をやるとカナビスの芽が出て葉が出るというもの(らしい)。他にもレストランの店先にカナビスの鉢植えがあったりしてね。
●念のために書いておくが、こうしたものはオランダ国外に持ち出そうとしないことだ。ドイツでも大麻は違法だし、日本ではもちろん逮捕されても文句は言えない。あと、まあ、アムステルダムで試してみるときもきちんと店を選んだ方がいいかもね。

飾り窓

●アムステルダムといえばもう一つ、飾り窓を忘れてはいけない。中央駅とダム通りに挟まれたダムラック通りの南東側はヨーロッパでも有数の歓楽街であり、ここでは昼間から娼婦の皆さんが肌も露な下着姿でガラス窓の中から通りを行く人たち(おもに男性)に微笑みかけ、あるいは手招きしている。昼間なら家族連れがぶらぶら歩いている運河沿いや路地である。
●彼女たちに直接話しかけて値決めし、商談が成立すればショー・ウィンドウのすぐ後ろ、カーテンの影にある小部屋に入ることになる(らしい)。これも値段は知らないので自分で訊いてくれ。日本人だとふっかけられるらしいから値切ってみた方がいいかもしれない。いずれにせよ極めて事務的で雰囲気もクソもないと人に聞いたことがある。
●この辺りには他にポルノ・ショップ、映画館、キャバレーなどがあり、当然コーヒー・ショップもあって、うさんくさそうな人たちも少なくない。昼間は人通りも多く観光化しているが、夜はちょっとヤバそうな感じもするので冷やかすだけなら明るいうちにした方がいいだろう。ただし飾り窓も昼間のうちはまだお姉さんの立っていないところが多いのでチョイスの豊富なところで本当にトライしたいなら夜か。悩ましいところだが、いずれにせよカナビス関係と同様自己責任でとしか言いようがない。

インドネシア料理

●オランダがインドネシアの旧宗主国だった関係で、アムステルダムにはインドネシア・レストランが驚くほど多い。せっかくアムステルダムに来たのなら1回はインドネシア料理をトライしてみるべきだろう。どうせオランダ料理なんて他に大したものもないんだし。ナシ・ゴレン(焼き飯)、バミ・ゴレン(焼きソバ)、サテ(鶏や牛肉の串焼き)などが有名だが、たいていのレストランでは旅行者向けにインドネシア料理盛り合わせみたいな大皿がある。
●ただこういったものは量が多くて食べきれなかったりするし、串焼きにもべったりと甘いピーナッツ・ソースがかかっていたりするので口に合うかどうか保証の限りではない(僕はあまり好きでない)。安易にセットものにせずに周りの人の食べているものをよく見て選ぶべきである。あと、純粋なインドネシア・レストランにせず、中華料理屋のインドネシア・メニューにするのもいいかもしれない。中華風にアレンジされて食べやすいんじゃないかな。

アンネの家

●アムステルダムは「アンネの日記」で有名なアンネ・フランクの一家がナチスに見つかるまで2年間身を潜めた街である。彼らが住んだ隠れ家は市内のプリンセン運河沿いにあり、今は博物館として公開されている。玄関から狭い階段を上がるとカモフラージュのための本棚の背後に隠れ家への扉がある。この狭いスペース(でも日本人には普通の広さかも)で8人のユダヤ人が息を殺しながら生活していたのである。
●彼らの居住スペースを見た後は隣接する建物に作られた展示館へ順路が続いており、関連する資料などの展示を見ることができる。ここは何といっても隠れ家なので階段は急で順路は狭く、見学すべき部屋もすぐにいっぱいになってしまうので、入口では何人かずつ毎に入場制限をしている。そのため表には入場待ちの長い列ができており、いつ入れるか分からない状態である。余裕があれば朝一番に行くことをお勧めする。入場料は10ギルダー(600円ほど)。

運河めぐり

●アムステルダム名物運河めぐりの観光ボートは中央駅前を初めとして市内のあちこちから出ている。業者によって値段やコースは微妙に違うようだが、だいたい15ギルダー(1000円ほど)前後で1時間ほどのクルーズである。僕が乗ったクルーズはローキンからアムステル川を通ってヘーレン運河に入り、中央駅の裏側を回って海洋博物館を眺めた後、市庁舎の横を通ってローキンに戻るコースで13ギルダー。
●これがいちばんポピュラーなコースだと思うけど、他にもディナーつきとか市内観光とセットになったヤツとかいろいろあるので、ホテルかツーリスト・インフォメーションでパンフレットをもらって検討すればいいだろう。個人的には日が暮れてから普通のコースに乗るのがいちばん安上がりでキレイでいいと思う。ただ、夏場は午後10時頃まで明るいのでほとんど最終便でないと夜景が見られないのは難しいところ。
●ものによっては乗船時に専属のカメラマンが写真を撮ってくれて、下船の時にできあがった写真を売っているところもある。何ということのない普通のスナップを5ギルダー以上で売りつけるあこぎな商売だが、別に買わなくてもすごまれることはないのでにっこりして写真だけ撮られておいてもよい。アベックや家族連れはなかなか並んだ写真が撮れないので買っても悪くないと思う。ドイツ人なんか結構買ってるよ。

ゴッホ美術館とHRC

●ゴッホ美術館は閉館中で、99年6月下旬からオープンと書いてあった。楽しみにしている人は注意した方がいい。
●で、ゴッホ美術館に行く途中でハード・ロック・カフェ(HRC)を見つけた。事前の調べではアムステルダムにHRCがあるという情報はなかったのでバッタもんかと思ったが、近寄ってよく見てみたところやはり本物のようであった。場所はライツェ広場からシンゲル運河沿いに南東へ少し下ったところ。ちょっと奥まっているので注意して探そう。Tシャツと帽子を買った。これでHRCは10軒目だ。

ザーンセ・スカンス

●失われつつある風車や木造家屋を移築して集めたオランダの「明治村」、と「地球の歩き方」には書いてある。アムステルダムから北に15kmほどのところにあり、クルマならほんの15分程度で行けてしまう。ホテルをチェック・アウトしてから帰り道に寄ってみた。
●これぞオランダ、というような風車がザーン川沿いに並んでくるくる回っている様子はさすがに壮観である。それぞれの建物はアンティークやチーズ、木靴などの店や土産物屋、レストランなどになっている。団体客がバスで着いて写真を撮ったり買い物をしたりしているし、まあ観光化しているけどコンパクトにまとまっていて悪くない。オランダにあるオランダ村って感じか。ここでも入口で写真を撮られたが、小銭もなくなったのでそのまま放って帰ってきた。


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