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●誰もがきっと〜想い出に守られて〜
 (作詞・作曲 伊藤銀次)
●RAINBOW CHASER
 (作詞・作曲 伊藤銀次)
●Try to Remember
 (作詞・作曲 伊藤銀次)
●愛をつかまえて
 (作詞・作曲 伊藤銀次)
●生まれ変わっても
 (作詞・作曲 伊藤銀次)

●こぬか雨 [Live version]
 (作詞・作曲 伊藤銀次)
●DOWN TOWN [Live version]
 (作詞 伊藤銀次/作曲 山下達郎)
RAINBOW CHASER
2019.12.4
WASABEE / BZCS 1184

前作「MAGIC TIME」から2年のインターバルでリリースされたミニ・アルバム。オリジナルの新曲5曲に加え、2017年10月20日にビルボード・ライブ東京で行われたライブから2曲をボーナス・トラックとして収録。プロデューサーのクレジットはないが銀次のセルフ・プロデュースと思われる。

バンドは上原裕(ドラム)、六川正彦(ベース)、西本明(キーボード)、田中拡邦(ギター)、高橋結子(パーカッション)というラインアップ。杉真理と鈴木雄大がコーラスでゲスト参加している。また、ボーナス・トラックでは佐野元春、EPO、高野寛、杉真理が参加。

アルバム自体のコンセプトのようなものは特に感じられず、フォークロック調の『誰もがきっと』、ディスコ・ナンバーに仕上がったタイトル・チューン『RAINBOW CHASER』、ミドル・バラードの『Try to Remember』、ハネたリズムでシュガーベイブを彷彿させる『愛をつかまえて』、シャッフル調でメロウな『生まれ変わっても』と曲調は様々。作曲はもちろん、作詞もすべて銀次が手掛けている。

しかし、このところの「シティ・ポップ」再評価の動きの中で、1977年のアルバム「DEADLY DRIVE」が注目され、特に『こぬか雨』などの叙情性や抑制的で細やかなサウンド・プロダクションが海外からも評価されていることを意識したか、全体としてはAOR寄りの落ち着いたポップ・アルバムに仕上がった。

もちろん銀次の達者なソング・ライティングは健在で、骨格となるメロディがしっかり書けているので、どのように料理してもきちんとまとまるのは当たり前だがさすが。ミニ・アルバムということで肩の力が適度に抜け、核になるキラー・チューンが見当たらない憾みはあるものの、丁寧な作りの粒のそろったポップ・ソングが集まった。

フル・アルバムだった前作はもちろん嬉しかったが、本作のような5、6曲収録のミニ・アルバムやEPを機動的にリリースしてくれるのもファンとしては歓迎したい。日常の中のちょっとした隙間の時間などにリラックスして聴くことのできる良質なアイテムであり、銀次の等身大の「今」が鮮やかに切り取られたスナップ・ショットだ。


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