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●風になれるなら
 (作詞 伊藤銀次・大貫妙子/作曲・編曲 伊藤銀次)
●I'm Telling You Now(好きなんだ)
 (Garrity Murray/訳詞 伊藤銀次)
●Deadly Drive
 (作曲 伊藤銀次・村松邦男/編曲 伊藤銀次)
●こぬか雨
 (作詞・作曲・編曲 伊藤銀次)
●King-Kong
 (作詞・作曲・編曲 伊藤銀次)
●あの時はどしゃぶり
 (作詞・作曲・編曲 伊藤銀次)
●Sweet Daddy
 (作曲・編曲 伊藤銀次)
●Hobo's Lullaby
 (作詞・作曲・編曲 伊藤銀次)
DEADLY DRIVE
77.5.25
Warner / WPC6-8238

■PRODUCER:伊藤銀次
■ENGINEER:島 雄一

伊藤銀次のソロ・デビュー・アルバム。いかにも70年代「日本のロック黎明期」的な隙間の多いサウンド・プロダクションや、松本隆の影響も感じさせるような日本語の歌詞など、時代背景を色濃く反映した印象の作品になっている。2曲のインストやマウスワウで遊んだ「キング・コング」を除けば純粋な歌ものは5曲のみで、アルバム全体としての完成度という点ではその後のアルバムに比べ見劣りし、習作感は否めない部分も多い。

しかしながら、大貫妙子のコーラスをフィーチャーした「風になれるなら」や、もともとシュガーベイブのために書かれた「こぬか雨」などの秀逸なポップ・ソングも収録しており、銀次のソングライターとしての才能は既にここで十分垣間見ることができる。作詞は銀次自身が担当しているが、繊細で叙情的な作風は意外な詩作の才も窺わせる。位置づけとしては「前史」だが、次作につながる萌芽、トライアルとしては重要な作品である。

時期的にはココナツバンクを解散し、セッションを中心に仕事をしていた頃の作品で、レコーディング・メンバーは上原裕、斉藤ノブ、田中童弘、緒方泰男ら、りりィのバック・バンドであるバイバイ・セッション・バンドで銀次とともに仕事をしていたメンバーが中心。また、「風になれるなら」「こぬか雨」「Sweet Daddy」では坂本龍一がストリングス・アレンジ、ブラス・アレンジを担当。「Deadly Drive」は村松邦男との共作。


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